「雅楽道友会」は元宮内庁式部職楽部の薗廣教が戦後創設した雅楽を生業とする集団が中心になって活動する演奏団体です。廣教は民間への正しい雅楽の普及、技術の向上、後進の育成を目指し、当時すでに一般社会ではなくなりつつあった「内弟子制度」によって雅楽を志す若者たちを育て、多くの指導者を世に送り出してきました。 現在も「古典雅楽の普及・伝承」と「指導者の育成」を大きな二つの目標として掲げ、次の時代に雅楽を伝えるために以下の活動をしています。
会内活動
1.会員稽古
「雅の道は続いてこそ(薗廣教)」の精神のもと、全会員を次の指導者に育てるつもりで管、舞、歌、絲物、打物を教え込みます。指導は元内弟子の会員楽師たちが主に行いますが、必要に応じて外部講師を招きます。 どんなものでも同じですが特に管や舞の技術向上を目指すには、稽古を休まないことが何よりも大切です。体に叩き込むような地道な稽古こそが、雅楽など古典芸能を習得していく唯一の道であり、近道はありません。 絲物・打物は不定期ですが、その他の科目別稽古と合奏稽古は毎週行われています。複数の稽古に参加しても会費額は変わりません。 詳しくは『稽古について』のページをご覧下さい。
2.親睦旅行
「和を以て楽を為す(東儀俊美)」の精神のもと、会員がお互いの親睦を深めるために年一度バス旅行を行っています。 普通の管絃演奏では16人、舞楽を入れるとより多くの人員が必要ですが、心がバラバラでは決して良い演奏はできず、技術面だけ求めていくと様々な確執が起こりやすくなります。共に酌み交わし、歌ったり踊ったり、朝まで語り合ったりと内弟子時代を彷彿とさせるような状況ですが、良い演奏に繋がると信じて継続しています。
3.吹納式・吹初式
12月中旬、下神明天祖神社殿内にて吹納式を行い、御神前に演奏を奉納した後、場所を変えて大納会を行っています。年が明けての最初の合奏に先立ち、北澤八幡神社殿内にて吹初式を行い、御神前に演奏を奉納します。
公演活動
4.研修発表「たけの音」(無料公演)5月中旬~6月中旬
楽師にはいろいろな技術が必要ですが、どうしても苦手な分野が出来てしまいます。良い演奏をするには、笛のうまい人は笛、舞が得意な人は舞、という配役になるのですが、研修発表では舞が苦手そうな会員に舞、打物の桴に触れたことのない者にも太鼓などの役が与えられます。出演者は恥をかきたくないので寸暇を惜しんで勉強し、教える方もなんとかしなければならないので必死です。当然、本番で失敗することもありますが、楽師として必要な技術を多く身に付けることができます。研修発表といえども雅楽演奏会の形式にのっとって行うため、楽器や装束の扱い、所作など入会して間もない会員にとっては演奏以外に必要なことを多く学べます。 詳しくは『研修発表『たけの音』』のページをご覧下さい。
5.演奏会(有料公演)5月中旬~6月中旬
全ての稽古や研修の集大成としてテーマを設けて、研修発表「たけの音」の代わりに演奏会を催す年もあります。これまで平成20年「薗 廣教十年記念」を開催し、平成22年は「東儀俊美半寿の楽舞」を開催いたします。 会において最も大きな行事です。
6.乃木神社管絃祭(無料公演)10月13日前後
会の発足時よりお世話頂いている乃木神社のご厚意により、秋の演奏会と位置づけ、毎年行っています。虫の音と雅楽の音色が溶け合い、えもいえぬ心地よいひとときを味わうことが出来ます。管絃、歌、舞と会を挙げて取り組む行事です。
事業活動
7.依頼演奏
ホールや団体主催の演奏会での依頼出演も数多く行っています。他にも神社例祭における奉納演奏、小中学校での雅楽鑑賞会や諸方面での祝賀会など、純粋に雅楽を鑑賞したいという依頼があれば全国どこにでも出向きます。会としては雅楽を広めることが主題なので、出来る限り大編成を心がけ、雅楽の魅力を伝えられるよう努めています。 また、祭礼や結婚式での奏楽は会にとって最も重要な活動です。三管演奏が基本ですが一管でも可能です。管絃曲だけではなく要望があれば歌物や舞を式中に入れる事も可能です。
8.会外稽古
依頼があれば他の雅楽団体、宗教団体、学校での指導も積極的におこなっています。それぞれの団体によって、会員に合わせたレベルでの稽古を供給できるよう唱歌中心の指導を心がけています。そこには廣教の「歌って表現できないものが吹いて何を伝えられるんだ」という持論があります。 雅楽界全体のレベル向上を共に目指していきたいという思いから、この活動にも力を入れています。
9.楽器製作
道友会が発足してしばらく後、二つの理由により楽器製作を始めました。 一つは、今でこそ良質の樹脂製楽器もありますが、昭和の時代には安価でよく鳴る楽器がなく、雅楽を志しても楽器が買えない人が多くいました。 廣教は何とかならないものかと考えた末、自ら竹を削り始めました。今でも昔からお付き合いのある神主さんからは「薗先生は結婚式場で竹を吹いていた」と聞かされます。 もう一つの理由は、携帯電話もない時代、演奏の仕事が入っても内弟子達がアルバイトだったり遊びに出かけていたりで、何処にいるかわからないという状況に悩んでいたことがあげられます。楽器作りを手伝わせることによって、預かっている若者達を常に目の届く範囲に置いておくことができるようになりました。 現在も会職員の基本は楽器製作であり、稽古や演奏の時間になれば手を休めて出向いていくという体制です。製作している楽器は、笙・篳篥・龍笛・高麗笛・神楽笛の5種類です。 詳しくは後日公開予定の『雅楽道友会雅楽器工房』WEBサイトに掲載いたします。
